ものは言いよう

某研究室のA君に「自分の測定データを Removable HDD にコピーしたい。」と頼まれた。測定データが入ってる NT4.0 は USB を認識しないので、LAN 越しにコピーするのだが、その PC の名前がわからないと言う。というわけで、もにょもにょと手伝ってみた。

これまで測定データ(測定機器は共通の一台)はその PC で解析(というか集計)してて、別に今までそれで支障は無かったと思ったのだが、これからはその研究室で自前で解析することにしたらしい。LAN や PC 周りの面倒を見てるオレとしては、なにか不都合でもあったのかと思い、そのいきさつを聞いてみた。

以前にA君は一度その PC で解析をしたことがある。しかしなにぶん初めてだったので某先輩に教えてもらったという。多分その時ほとんどの作業をその先輩がしてしまったのだろう、A君は「某先輩にやってもらった」(あるいはそんな感じの、自分が実際作業した訳ではない、という具合のニュアンス)で報告してしまったようだ。

計算は PC まかせとはいえ「やってもらった」という認識では、教育的によろしくないとたぶん判断されたんだろう。 これからは解析も一通り自前でやらねば、となったに違いない。

A君から聞いた話もあまり要領を得ないので、以上はほとんどがオレの推測である。

ただオレが気になるのは、A君の「某先輩にやってもらった」という発言である。いくら実際の作業のほとんどをやってもらったとはいえ、バカ正直にそのまま報告する必要(義務?)があるんだろうか。「作業を手伝ってもらいました」とか「やり方を詳しく教えてもらいました」とか、いろいろうまい言い回しはほかにもあると思うんだが。

オレも語彙が少ないので、時たま真っ直ぐ過ぎのもの言いをしてしまって、後で後悔することがある。ものは言いようというし、実際の事実をただ正直に表すだけでは、なんともうまくいかない場合が多々あることを感じることが多くなってきた。おれもおっさんになったのか。

A君は結構まっすぐタイプの人間のようなので、しようがないのかもしれない。悪いやつではないので憤りとかはないのだが、なんか気になったのでちょっと書いてみた。

あと、文体が”だ、である調”なのは、電車の中で司馬遼太郎を読んできたからだ。